カニ 想い出

大学の頃のカニの想い出

2000年代よりも前の夏のこと、大学生だった私はサークルの仲間と一緒に茨城の大洗海岸に出かけました。
砂浜に出ると、遠くで漁師が地引網漁をやっていて、人だかりができていました。

 

詳細は覚えていないが、たしか網から魚を取ったあと、その他の小魚やら海藻やらを大きなバケツに溜めていて、
その中に(何ガニだか分かりませんが)小ぶりなカニが横這い歩きをしていました。

 

「持って帰れたら味噌汁にでも入れよう」と思って手を伸ばすと、カニは即座にハサミを伸ばして私の指をグッと締め付け、
私は思いっきり顔を歪めて死に物狂いで腕を振り、カニを何とかバケツの中に落とたのです。

 

死ぬかと思うほど痛かったのを覚えています。
蟹座のことを英語でCancer(キャンサー)と言うが、これは「癌」のことも意味するらしいです。

 

足を伸ばした病巣がさながらカニのように見えるからだとか。

 

2000年より後、私は母を大腸癌で亡くし、母方の一族と折り合いの悪かった父は家からそう遠くないカニ料理店で精進落としの席を設けました。

 

普通の蒸しガニからカニクリームコロッケ、果てはカニグラタンに至るまでのカニ尽くしで、指を挟まれた時のカタキとばかりに無言で平らげた覚えがあります。

 

その後、カニとはあまり縁がなかったですが。回転寿司で何度か頼んだくらいで何かと自分で料理をするようになってからはカニはスーパーでも高価で、安易に安価なものを買ってくると殻が剥きづらく、食べにくい上に可食部分もかなり少ないので嫌気が差してしまいました。

 

しかし、カニを遠ざけたのはその時くらいで、今ではカニが大好きです。