お土産屋 カニ

土産物屋でカニを買って失敗した話

高校生の頃、夏休みにバイクで北海道を1周しました。
テントを積んだ気ままな旅行で、地図を見ながら気が向いた方に走り、温泉があれば温泉に入り、おいしそうな食べ物屋があればそこで地元のものを食べ、時々一緒になる同じようなバイクの旅行者と交流し、そしてキャンプ場や河原にテントを張って眠る、というような感じで、本当に自由でした。

 

その中で、北海道の室蘭のほうに行った時のことです。
ある土産物屋に入り、そこの食堂でカニが1杯ついた定食を、すこし奮発して食べたところ、身が本当に甘くて、ぎっしり入っていて驚くほどおいしかったのです。
本当にカニを食べて感動した、というのはあれが初めてです。

 

そこで、普段はそういうことはしないのですが、ものすごく自分が感動したことと、1人で旅行をしていて何となく内省的になり、そうなる両親に対する感謝の心が生まれてきたりして、そしてなおかつ自分が元気に北海道を旅している、ということを家にも伝えたくて、思い切ってカニを自宅に送ることにしました。

 

土産物屋に、魚屋が入っていて、そこで生きたカニを水槽に入れて売っていたので、そこに行き、自宅あてに4杯の毛蟹を送ってもらうように頼みました。

 

費用は1万円でしたので、1人旅の高校生にはものすごい奮発です。
これを受け取った両親はきっと驚くだろうし、食べておいしくてさらに驚き、きっと喜んでくれるだろうと思いました。

 

そして、そこかあまた旅をつづけ、北海道を離れる日の夕方、今からフェリーに乗る、ということで家に電話をかけました。すると、母親が出て「カニが付いた」というので、きっと喜びとお礼の言葉が出るだろうと期待したところ、出てきたのは怒りの言葉でした。

 

いわく、身が全然入っていなくてスカスカ、半分腐っているような味がした、ということです。
土産物屋で買って送った、というと、そういうところで買うから!とさらに怒られました。
どうやら、二度と来ない旅行者でそれも高校生だと見透かされて、そのようなことをされたようです。

 

それも悔しかったですが、ある意味、いい勉強になりました。
それ以来カニは信頼できる通販か、デパートで買うようにしています。